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人と接する恐怖
人と接する事が怖いと感じた事があるだろうか。僕は何度かそういうことを経験した事がある。あれは中学の2年頃だった。クラスメイトと一緒に暑い日差しから逃げるようにゲームセンターの中へと入っていった。そこは予想していた通り冷房が効いていて涼しかった。じっとりと汗を含んだTシャツが肌に張り付いて気持ち悪い。シャツの首元を掴んで仰ぐようにしてシャツと体の間の空間に風を吹き込む。ゲームセンターは込んでいて、小学校低学年の子供から大学生にも見える若者まで多くの人で賑わっていた。一緒にゲームセンターに行ったクラスメイトとはあまり遊ぶ事が少なかった。夏休みという長期休暇を家でぼんやり過ごすよりも、今までなかなか遊ぶ事のできなかったクラスメイトと遊ぼうと考えたのだった。

クラスでは当たり前のように話すのに、なかなか共通の趣味が無かったために家で遊んだりする事が無かったのだ。当時の僕はゲーム好きで(今も好きだが)暇さえあればテレビゲームをやっていた。クラスでも自然とゲーム好きの友達が増えて、放課後に友達の家に行ったり自分の家に呼んだりして遊んでいた。だから、放課後彼と過ごす時間は少なかったのだ。店内は混んでいたために、なかなか二人で遊ぶゲームをプレイできない。仕方が無く他のゲームセンターに行く事にした。

駅前の北銀座通りと呼ばれる一角をゲームセンターを求めて歩く。ふと、ゲームセンターの看板が目に入った。そのゲームセンターは通りに面してゲームが設置してある普通の店舗とは違い、階段を下りて地下に入ったところにある形式の店だった。今まで行った事が無かったし、目立たないので空いていると思い僕達はそのゲームセンターに入る事にした。店内には高校生の集団が一箇所に集まってなにやら話をしていた。それ以外は所々に大人っぽい格好をした(当時の僕らにはそう見えた)人がまばらにテレビゲームをしていた。丁度、二人で遊べるようなゲームが空いていたのでそれをやることにした。そのゲームは3種類のボタンが配置されていて、そのボタンを激しく叩いたりして風船を膨らませたり、キャラクターを走らせてどちらが早くゴールするかを競うゲームだった。

僕らは夢中になって激しくボタンを叩いていた。まわりの目線などを気にせずにただ夢中にボタンを叩いていた。接線の勝負の末にゲームは終わり、僕らはとてもよい気持ちになっていた。そこに、集団の中から一人の高校生が僕の肩に手を掛けて「ちょっとこっちにきてくれない?」と声を掛けてきた。友達は他のゲームを見つけて夢中にゲームをしているようだった。僕はそこで嫌な予感がして、ゲームに夢中になっている友達に声を掛けた。友達も声を掛けてきた高校生がいる事に気づき、その後ろにいる集団がこちらを鋭い目で睨んでいるのが見えたようだった。僕らは怖くなって肩に乗せられた手を振りほどき、早足で出口を目指した。出口を飛び出そうか否かといった所で、先程とは違ういかにも不良っぽい高校生が走ってきて僕の方を思いっきり掴み、彼の方向へ体を向かせた。ゾロゾロと後ろから他の仲間らしき人達がやってきて、たちまち僕らを違法駐輪している自転車を壁にするように取り囲んだ。

「ちょっと、金貸してくれないかな?」
当時、テレビドラマなどでいじめの様子が取り上げられる事が少なかったが、これが本当の恐喝である事を僕らは感じた。僕は怖くてたまらなくなって、違法駐輪の自転車をなぎ倒し、友達に「走れ!」と叫んで北銀座通りを走り抜けた。少し遅れて友達がついてくる。少しの間を置いて「待てや!コラ!」と叫び、集団の中の一人が僕らを追いかけてきた。僕らは必死で走った。後ろを振り返ると、物凄い勢いで追いかけてくる。僕らは咄嗟に目に入ったLOFTの店舗の中に逃げ込んだ。店舗の中に入ると階段を駆け上り、隠れる場所を探した。終われる恐怖から、もう後ろを振り向く事はできなかった。何階か駆け上ったところにトイレを見つけた。僕らは後先考えずにトイレの個室に逃げ込み、鍵を閉めた。とにかく目の前の恐怖から逃げる事で必死だった。駆け込んだ個室の中で僕らの体は無意識に震えていた。

「これからどうすればいいんだよ!このままじゃ見つかっちゃうよ!」
「そんな事わからないよ!とにかく、ここに隠れてるしかないだろ!」
「だって、さっきの人が追ってきてここまできたらどうするんだよ!」
「でも、しばらくこうしてるしかないだろ!」

僕らは恐怖に怯えながら、怒鳴りあっていた。友達は財布の中から数枚の紙幣を取り出して、靴の中に隠した。最悪の場合を考えて大きいお金を隠しておこうと考えたらしい。僕はそんな様子を見ながら、ただただこの時が早く過ぎるのを待っていた。なんですぐにドアを叩く音が聞こえないのだろうか。もしかして仲間を呼びに戻っているのかもしれない。そうしたら、今以上の恐怖が待っているんじゃないか。そんな不安を頭の中で巡らさせていた。

どれだけの時が経ったかわからない。ほんの数分かもしれないし、もう何時間も経っているのかもしれなかった。それほど僕らの不安は大きく、恐怖におびえていたのだった。すると、トイレの入り口のドアを開く音がした。僕らは心臓が飛び出るのかではないかと思うほどビックリし、声も発せられなくなっていた。ところが、入ってきた人はドアを叩く事は無かった。しかし、そこには人の気配がする。しばらく様子をうかがっているのかと思っていたが、しばらく様子すると、どうやら小用を済ませているようだということがわかった。僕らは安堵し、助けを求めるためにドアを開けた。そこには、男子店員がいた。

僕らは店員に追われているということを話した。どういうことか店員は聞き返してきたが、僕らは混乱していてうまく言葉にすることができなかった。とりあえず警備員室へ行こうということで、店員に連れられて警備員室に僕らは移動した。初老の警備員と若い警備員がそこにいて、チョコレートとか飴といったお菓子と温かいお茶を僕らにくれた。安心させてくれるためにそうしてくれたようで、警備員の人たちから見て僕らはそれほど疲れきった顔をしていたらしい。警備員の人たちは、時間を掛けて僕らに質問をしてきた。僕らは多少緊張が取れてきて、少しずつながら話すことができた。警備員の人たちは初老の警備員を残し、近辺にそれらしき人物がいないかを見回りに出てくれた。

1時間経ったくらいになってそれらしき人物が既にいなくなってしまったと教えてくれた。すると、家族の人と警察に連絡をするから電話番号を教えてくれと言われた。僕らは何故かそれを強く拒んだ。親に心配掛けていけないと子供心に思ったのだろうか。それに、何故か警察に連絡するといったことに恐怖を感じたのだった。何回も警備員の人たちは連絡した方がいいと繰り返したが、僕らはそれを頑なに拒んだ。結局、それから少し時間が経った後にもう一度それらしい人物がいないかを警備員の人たちが確認しに行った後、自分達の足で帰ることになった。僕らは言葉少なに何も無くて良かったということなどを話しながら自宅へと帰っていった。

僕は家に帰った後も今日の出来事をしばらく家族に話すことができなかった。ただ、人に対する恐怖と駅の周辺に行く事がしばらくできなくなっていた。家の近くの書店などに出かけるも、周りの視線が気になってしょうがなく、高校生や髪を染めた人を見るたびに背筋に寒気が走り冷や汗をかいた。それは中学を卒業するまで抜ける事が無く、学校内で髪を少し染めた同級生を見かけるだけでもその人には近づかないようにしようと固く決めていた。

高校に入り身長が伸びて、クラスメイトと馴染めるようになった頃になってようやく人と接する事に恐怖を感じなくなっていた。僕の行った高校は公立で、茶髪などに髪を染めている人が多い学校だったのだけど、何故か自分からその学校を受けたいと言っていた。今思うと何故そんな事をしたのか覚えていない。しかし、その高校に入学する事で髪を染めているからといって全員が悪い人ではないということが再確認できたのだった。けれども、やっぱり初対面の人と関わっていく時に警戒の気持ちを持ってしまっていた気がする。

今になり、インターネットを通じていろんな人と接する事ができるようになった。顔の見たことの無い相手に自分から会いに行って話をすることをなんとも思わなくなっている。



人と関わっていく事は、社会で生きていくうえで回避しようの無い事だと思う。その人のことを信頼し、理解していくことはとても重要な事である。今日、バイト先に契約書を書きに行ったのだけど、その場所で最近の自分では珍しいくらい緊張した。店の人はとても優しくて親切に接してくれていたのだけど、何故か心臓の鼓動が速かった。

そんな時に、ちょっとした昔のこの体験を思い出したのでした。


永瀬の文章 | 03:09 | comments(4) | trackbacks(1)
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- | 03:09 | - | -
コメント
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恐怖の体験
Empty | 人と接する恐怖 ********************* 永瀬さんのこの話を読んでいて、あたしが小6の時に経験したことを思い出していた。 前にも日記には書いたことがあるけれど、忘れ物を取りに家に戻ろうとしたとある道で、すれ違った高校生(らしき)人に後ろか
天慈のふらちなblog探険記 | 2004/09/14 9:53 AM
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