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アジフライ
今日は家に大工の福井がきた。
大工の福井はもうすぐ55歳になる。
そして身体は大工のくせに細いし、猫背。
一見、指名手配のポスタ―に載っていそうだ。
で、奥さんと別れて家がない。
ちなみに、車がマイホームだ。
でも、よく温泉には行っている。
海で貝を採ったり、山で食べれる草採ったりしてる。
好きなホステスの息子と最近うまくいってるらしい。

で、結構私は福井さんが好きだ。

私の部屋のながーい机も福井さんが作ってくれたし。
あの屋根の穴だって福井が塞いだんだぞ、えっへん。
どうだい、福井は家がないけどスゴイだろう。

この間は弟と山登りしてきたらしい。
写メールが届いた。
変な石碑みたいのと、すっごくカメラを意識した福井だった。


福井は時々いなくなる。
何も言わずいなくなる。
で、急に現れて一緒に晩ご飯を食べたりしている。
なんだか、よくわからないけど
私も弟も福井がいないと淋しい。
ちょっとだけど。

そしたら、今日はね
福井がすごくいい話を私と弟にしたんだ。
で、すごくニヤニヤ笑ってた
福井は奥さんと別れたけど、娘が2人いる
時々何気なく娘の話しをしたりする
すこしだけ、肩を丸めて話す
私も弟も少しだけ優しい目をしてしまう

福井はもうすぐ60という歳で
新しい人生を歩もうとしている
好きなホステスとは結構いい関係らしいし
そのホステスの息子ともこの間一緒につりに行ったらしい
「おとうさん」と呼んでくれるようになっただとか
でも、福井は娘の話を忘れない
「あいつは、釣りは嫌いなんだよ、魚が嫌いだってさ」
けらけら笑う福井のショートホ―プの煙草の灰が落ちる
やっぱり、私も弟も優しい目をしてしまう

珍しく福井がお小遣いをくれた
「これ、葉っぱのお金じゃないのー?」
とふざけて言ってケラケラ3人で笑う
「福井さんが大金持ちになったら、お前たちに100万づつやるよ」
とお決まり文句を言う福井
私も弟も
「はいはい」
と、いつものお決まり
「じゃぁな」
そう言って笑顔のままの福井の背中

福井はきっと、どこか遠くへ行ってしまう

私も弟もなんとなくそんな気がしていた
でも、何も言わなかった
私と弟は静かに福井の猫背を見守った
きっと淋しい目をしていたに違いない

晩ご飯は福井の分まで用意されていた
でも福井はいないから
弟と私の皿には一匹多くアジフライがのった
私も弟も
福井の娘が魚は嫌いだということを
何となく思い出していた


水口の文章 | 05:37 | comments(0) | trackbacks(0)
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